第1回コンテストの概要と全体講評

第1回中高生日本語研究コンテストを終えて

 

2022年11月22日

 中高生日本語研究コンテスト実行委員会

 

 2022年度から日本語学会が始めた「中高生日本語研究コンテント」は、9月1日から9月30日を応募期間として、研究の着想や方法を中心に研究計画までを発表する「アイデア部門」と、研究を実施し分析結果を示し結論までを発表する「リサーチ部門」の2つの枠組みに、それぞれ、5分程度、10分程度のプレゼンテーション動画を投稿してもらいました。

 

 アイデア部門44件、リサーチ部門23件、あわせて67件の応募があり、その内訳は、中学生が12件、高校生が55件で、参加学校数は30校でした。また、個人による作品が41件、2人以上のグループによる作品が26件でした。

 初回ということで、あまり応募がないかもしれないと心配していたのですが、予想を大きく上回る数の投稿が集まったことを非常にうれしく思っています。応募してくださった中学生・高校生の皆さん、指導をしてくださった先生方や保護者の方々、広報や運営などに協力や助言をしてくださった関係者各位に、厚くお礼申し上げます。

 

 投稿作品は、実行委員と理事あわせて28名の審査員により次の観点で審査しました。アイデア部門は、問い(課題)の設定、調査や研究の方法、発表の仕方の3つ、リサーチ部門は、これらに、考察の展開、結論の導き方を加えた5つの観点です。

 審査の結果、アイデア部門では、最優秀賞1件、優秀賞5件、奨励賞3件、リサーチ部門では、最優秀賞1件、優秀賞4件、奨励賞1件の、計15件を表彰することとし、10月29日にオンラインで開催された日本語学会秋季大会の式典で表彰式を行いました。

 

 これら表彰作について、受賞者の皆さんに許諾をいただき、講評とともに公開いたします。優れた研究、面白い研究、発展性を感じさせる研究、着眼点にうならされる研究など、多様な作品が表彰されました。ぜひご視聴ください。

 なお、表彰には至らなかった作品にも、独創性のある意欲的なものがとても多く、日本語への強い関心や深い愛着を持って、調査や研究に取り組んでくださったことが、ひしひしと伝わってきました。応募者の皆さんには、作品中の評価できるところや今後考えるとよいところなどについて、審査員からのコメントをお送りしました。

 

 このコンテストは、(1)中高生に日本語に関心を持ってもらい言語や言語文化への探究心を育む、(2)中高の学校現場と研究者コミュニティーとをつなぎ日本語学の知見を活用してもらう、(3)日本語学に入門する人材を育てる、という3つのことを目的にしています。この目的が実現できるように、コンテストのあり方について検討を重ね、第2回のコンテストを2023年度に実施する予定です。これからも「中高生日本語研究コンテスト」をよろしくお願いいたします。


表彰作の動画視聴はこちらから